愛と死の妄想 悲壮耽美な情景  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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母子淫情

小市郎は十五になる。喧嘩のはずみから相手を死なせた。相手の親も武士なれば恥じて事件にしようとはしなかった。
「互いに武士の子、意地づくのこと。事故とお届け致しましたゆえ。」
相手の親はそう言ってくれた。

子供同士とはいえ私闘、武家なれば自害するのが定法であった。
「命を惜しんでは名を汚しましょう。」
「母上、私は腹を切ります。」
彼はキッパリと言った。
実の母は小市郎を産んですぐに死んだ。七つの時に女が嫁いできた。まだ若い母だった。
二年前に父は役目の責めを負って腹を切り、義理の母と子だけの家であった。
「母上のことを、あの者は辱めましたゆえ。」
「もうよいのです、腹を切れば意地は立ちましょう。私もそなたと共にお父上の元に参ります。」
事情を聞こうともせず母は笑った。血も繋がらず、歳も近い母と子が暮らしていると根もない噂がたった。母も美形、子もまた大人びるにつれて美しさは負けなかった。母子相姦の噂は真実味を帯びた。事件の発端は、子供同士のからかいから始まったことを女は知っていた。

まだ父も存命の頃、小市郎は母の夢を見ながら初めて精を放った。若く美しい母であった。母に淫情を抱くなど人の道に外れること、誰にも言えなかったが、それからも抑えられぬ欲情に苦しんだ。そんな自分に彼女は気付かないように見えた。

母は名を節子といった。十歳も違わぬ母と子だけの暮らしであった。共に暮らして互いに肌を隠さなかった。夫が亡くなってから、小市郎は一気に大人びて、懐かしい男の匂いを漂わせた。まだ薄い身体ながら男の徴(しるし)はもう充分に完成された男のそれであった。
子の淫情は薄々彼女も気付いていたが、子供が男になってゆく過程と気付かぬふりをした。
彼女は小市郎を子として愛しかった。彼は子であると共に夫を思い出すよすがといえた。小市郎からは日々夫の面影が偲ばれた。一人寝の寂しさから、いつか子に男を感じていたのかもしれなかった。母でありながら、心に潜む淫らさに女も苦しさを覚えることがあった。


死ぬる支度を終えて母は子を呼んだ。
「若年ながらそなたも武士、立派に死なねばならぬ。」
「死ぬ前に、母上に詫びねばなりません。」
淫情を覚えていたと彼は恥ずかしそうに言った。彼女は考えるようにしばらく黙った。
「淫情などと、恥じずによかったものを。」
女は呟いた。
「このような仕儀で死なせるのは苦しいが、そなた一人を死なせはせぬ。」
「死ぬは私一人でようございましょう。」
「そなたがおらねば、あの方の後を追ったでありましょう。私は亡きお父上からそなたを預かりました。成人もならず死なせるお詫びを私はせねばなりませぬ。」
「申し訳ございませぬ。」
「よいのです。私はあの人を恋しくて死ぬのです。女にも良い死に時かもしれませぬ。」
女は照れるように笑いながら言った
「小市郎殿、この切腹はそなたの初陣。私からのはなむけ、受けて下さるか。」
「はなむけ・・・。」
「そなたはまだ女を知るまい。母と子といえども血は繋がらぬ。死ぬる前に、この身でよくば抱きなされ。」
彼女は帯を解いて横たわった。

「母上・・・。」
見下ろして小市郎が言い、二人はしばらく見つめ合った。
「さあ、おいでなさい。」
横たわった女はもう母ではなく女の顔であった。目を瞑って、誘うように胸元を開いた。
躊躇いながら彼の手が女の胸に伸びる。
女は優しく頭を抱いてやる。帆を張る股間を確かめて、彼の帯を解いてやった。
「もう母ではない。私はそなたへのはなむけに身を投げた、ただの後家です。」
身体を入れ替えて上になる。導いてゆっくりと挿入を果たす。腰を動かす間もなく、彼はしがみついて男の情水を吐いた。女は噴き上げたそれで全身を貫かれたと思った。
余韻を確かめるように女はゆっくりと腰を振った。やがて女の膣洞で萎えかけていた若者がまた硬度を取り戻していくのがわかった。

一度果てた彼は、女体のすべてを確かめたいと願った。目を瞑ってすべてを開いてやる。彼は女陰に指をはわし顔を埋めた。
彼はもう躊躇わなかった。荒々しく本能のままに犯し始める。攻守は入れ替わり、その激しさに女は身を任せた。彼が欲情を果たすまで絡んだ脚は解かなかった。女は何度も宙を彷徨い気をやった。

やがて女は胸に顔を埋めて抱かれていた。若者の甘い汗の匂いに陶然とまどろんだ。女はもう母には戻れぬ自分に気がついた。
「小市郎殿、もはや私は母ではない。情を交わした上はそなたの妻。お父上には黄泉にて私が詫びましょう。」
「母上・・・。」
「もう節子とお呼びなされ。」
女は笑いながら淫水に濡れた陰部を拭ってやる。それは懐かしい夫との閨での習慣だった。
小市郎は不思議な思いで節子を見ていた。それは思いもつかぬ女の艶かしさだった。
彼は一気に大人びて見えた。
「節・・・どの。」
「もう呼び捨てにするのです。」
何度も笑いながらそんなやり取りがあった。


もう夜明けが近かった。腹切り喉元を切り裂いてすでに小市郎は切腹を遂げ、しばらく手足を泳がせていた。やがて血の海に臥せって動かなくなった。
目を瞑らせ、顔に飛んだ血を拭ってやる。白無垢の単衣に血が付いたが節子は気にしなかった。

手水を使い、鏡で化粧を確かめた。
「母として死ぬのか、女として死ぬのか。」
鏡の中の女に訊く。まだ女陰から漏れる小市郎名残りの精が股間を濡らした。
このまま死ねば検死がある。陰部検めを受ければ、女が間際に情を交わしたことはわかると聞いたことがある。愚かなとは思いながら、母子相姦のそしりだけは避けたかった。
子が武士として果て、母がそれを見届けて亡き夫の後を追う。その筋立てはなんとしても変えられぬと思った。
後の世に残る名などは、女には縁はないものとは思いながらもしばらく考えた。

帯を解き紐を解いた。胡座を組み、まだ男根の感触が残る女陰を探る。細身の小柄(こづか)を取り出して冷たい刃先を女陰にあてた。刃幅は一寸足らず、細く鋭い。陰唇を指で開いてゆっくりと挿入する。奥に刃先を突き立てる。鋭い痛みが腰を貫いて、小柄を抜き出すと噴く血が溜まった情交の淫水を流した。
膣洞は血にまみれて、これで陰門検めを受けても母子相姦の証しは立たぬと思えた。肌着の前を合わせ座を正した。

血まみれの手で腹を探った。腰はまだ痺れて、女陰からは血が流れ続けているのがわかる。懐剣を逆手に持って袖に巻く。臍下一寸、柔らかい辺りを脇から脇一文字に割いた。苦痛は耐えられぬほどではなかった。両手で握った懐剣の柄を逆立てて床で支え、恥部草叢の際辺りに刃先を当てた。
獣の所業、ましてや気をやり頂きを見た。義理とはいえ子と情を通じた罰を受けねばならぬと思えた。小市郎は我が子我が夫、悔いはない。
「小市郎どの・・・。」
下腹中ほどに子袋があると聞く。これからが女の切腹、一気にのしかかると激痛が走る。懐剣の刃は臓腑を裂いて中ほどまでも沈む。
「あううううう。ぐうううう。」
血に濡れた尻が崩れて苦痛に悶える。懐剣を腹に立てたまま裾乱し転げあがいた。
激しい苦痛と闘いながら、女膣を突いた小柄をとって喉元に当て突き立てる。血が飛沫いて気が遠くなる。血の固まりがこみ上げて苦痛がゆっくりと遠のいていった。


若年とても私闘の上は、一死を以って詫びると小市郎の書置きがあった。女は母としての不明を恥じ、死を以って夫に詫びると書き遺していた。
小市郎は割腹して血の海に臥せっている。
女は次の間で腹を一筋切り、下腹に深く懐剣を突き立てたまま喉を小柄で突いていた。部屋中に血が飛んでいる。二本の刃を立てたまま、陰部も露わに上を向いて横たわる姿は凄惨の極みと見えた。
「小市郎が先に腹を切ったと見える。女の腕では首討てぬゆえ介錯を望めぬ独り腹、浅く切り入り中程臍下を深く背までも貫いておる。そのまま上へ胃の腑まで切り裂いた。苦しかったであろうが、一気に血を失い苦痛は短かったであろう。若年ながら見事な腹じゃ。」
検死役人は傷を検めて感じ入ったように呟いた。

「女も腹を切ったか。臍の下を真横に一筋、非力ゆえに傷は浅い。下腹中ほどに深く突いたが懐剣を肉が巻き、抜くも叶わず小柄で喉を突いたか。これは苦しみ長く悶えたであろうな。転げまわって部屋のあちこちに血が飛んでおる。腹と喉に刃を立てたままに、秘所まで晒してあまりにも見苦しい死に様。女は腹まで切らずとも、胸一突きか喉でも裂けば死に姿も乱れずに済んだろうに。愚かにも腹切るが容易いとでも思うたのか。」
はき捨てるように言いながら陰部検めをする。臓腑裂かれて、陰門肛穴は内から血が漏れている。淫水の気配は認められなかった。
「いずれも美形、姉弟のような母と子であったが。母子相姦などと噂されたがよほどに悔しかったのであろう。噂が真なら死ぬる間際に情を交わさずには済むまいが、その痕はない。見苦しいとはいえ、女も武家の仕舞いとしては見事な切腹。女の腹切った心は、苦しいのを承知でいわれもない噂への抗議であったのかもしれぬな。」
女の凄惨な姿を見下ろして、彼は手を合わした。
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by kikuryouran | 2008-04-08 02:26 | 心中情死 | Comments(0)