愛と死の妄想 悲壮耽美な情景  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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若い客 

部屋に入ると客は若者だった。
「あら、お若いのね。私でいい?嫌なら若い子と替わろうか。」
「いいよ、おばさんでも。」
「おばさんで悪うございましたね。」
私は脱ぎながら言った。
「呑む?」
「有難いお客様ね、いただくわ。今日はもう三人相手をして疲れてたとこなの。」
私は下着姿で隣に座って煙草を咥えた。
「いいの?しなくて。お金は先に頂くわよ。」
「その気になったら頼むよ。」
彼はそれほど遊び慣れた風にも見えなかった。
「俺、もうすぐ死ぬんだよ。」
「それはご愁傷様。私だってもう死んだようなものよ。」
コップに注いでくれたビールを飲みながら言ってやる。私は本気にしていなかった。
「何もしないで帰る心算なの?お金は貰っちまったんだから。」
私はズボンを脱がせて横にならせた。
「なによ、若いのに元気がないね。」
指を使って固くさせ、腰を下ろして呑み込んだ。
「良い道具じゃないか。このままでいいのかい?上になるかい?」
彼は哀しい目で私を見上げていた。彼の手が私の胸に伸びた。
ゆっくり揺らせて締めてやる。気をやるように声を上げてやった。
「いいのかい、こっちはいきそうだよ。」
いっぱいに膨らんだものを感じながら、腰を使い始める。若い身体が反応しているのがわかった。そのまま締め付けて一気に腰を振ってやる。
「ああ、いいよ、いく・・・。」
その瞬間、彼の哀しみが私の中ではじけた気がした。なぜかそれは忘れかけた記憶を私に蘇らせた。私にしがみついて彼は放ち続けた。不覚にも気が遠くなりかけて、私は身体を覆い被せた。

しばらく抱き合ってから身体を離した。
「まだ若いんだから、死ぬなんて言うんじゃないよ。」
汚れた股間を拭いてやりながら、私は言った。
「ありがとう、おばさん。」
「お世辞でも、おねえさんって言うもんだよ。」
笑いながら言うと彼も笑った。
「初めて笑ってくれたね。いい男じゃないか。また来ておくれ、待ってるからね。」
部屋を出て行く彼に私は声をかけた。
「もう今日は上がるから、ちょっと待っててよ。ラーメンぐらい奢るわよ。」
彼は振り返って頷いた。私は嬉しくなって、急いで着替えて外に出た。
「おばさん、本当に奢ってくれるの?」
「おねえさんって言いなさい。そしたらお寿司でもいいわよ。」
「それじゃぁおねえさん。俺、お寿司の方がいい。」
私たちは笑いながら歩き始めた。もう人通りは少なかった。一緒に歩くと彼は驚くほど背が高かった。私が腰に手をまわすと、彼は肩を抱いて身体を寄せてきた。
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by kikuryouran | 2007-10-20 10:51 | 平成夢譚 | Comments(0)