愛と死の妄想 悲壮耽美な情景  feseppuku.exblog.jp

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by kikuryouran
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皺腹

「皺腹切ってお詫びいたす。」
胸元開いて下腹までも露わにする。
逞しい胸に幾つもの傷痕がある。
年寄り自慢の戦場傷、それぞれの傷に由来話がある。
脇差尺三寸、刃先残して幾重にも布に巻き込み逆手に握る。
片膝立ちに腰を浮かす。
切り割く辺りを確かめるようにしばらく撫ぜて息を整えた。
見守る者の目は一点に注がれた。
一瞬後にはそこが切り割かれて血に塗れる。
誰もが固唾を飲んで待ち構えた。
一気に突き立てる。
刃先沈んで血が滴る。
「うむぅぅぅっ・・・」
苦し気に身体が震え揺れる。
すべての筋肉が硬直していた。
痛みを堪えて横に割く。
「姫様、このように、・・・。」
脇から割いて中程まで届く。
「介錯してつかわせ。」
傍らの女中に姫が命じられた。
薙刀を脇に掻い込み女が庭に下りる。
「爺殿、介錯仕ります。」
「かたじけない。」
脇差を腹に抱えたまま、男は前に屈んで首を伸べる。
薙刀一閃、首は見事に飛んで血が吹き上がる。
頭部を失った身体がしばらく痙攣して血を流し続けた
首は姫の足元まで転がった。
「爺よ、見事であった。」
姫は満足そうに笑みを漏らされた。


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Commented by kirikiri2010 at 2017-11-05 21:40
姫様。有難き幸せ。
本望で御座います。
Commented by kikuryouran at 2017-11-09 23:40
皺腹が似合う年齢になってしまいましたね。
(笑)
しかし若者のそれとは違う趣があって、これもまたいいかもしれない。
そんなことを思いながら書いてみました。
Commented by kirikiri2010 at 2017-11-10 00:51
まだ、皺腹ではありませんが、布袋腹でもありません。勿論、六つに割れた腹では、ありません。でも、kiku様に、この腹を・・・。
 また、kiku様の腹切る様、是非とも見とう御座います。
Commented by kikuryouran at 2017-11-11 06:11
まだ皺はありませんでしたか、失礼しました。

一途な若者のそれとは違って、
きっと皺腹というのは、人生を知り愛を知り未練を残しつつ切るのです。
男の皺腹は悪くない、というよりとても良い。
女でも皺腹はあるのでしょうが、美しいかはわからない。
いや、きっと美しくはないでしょう。
(笑)
by kikuryouran | 2017-11-05 04:08 | 男のharakiri | Comments(4)