愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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愛し合う少年


二人の少年が岩陰に寝そべっている。
一人が勃起しているのを見て、もう一人が手を伸ばした。
握られた方は目を瞑ってされるままになっている。
草叢に勃つそれはもう充分な固さだった。
唇をかさねると、一気に感情が昂ぶっていく。
華奢な少年の身体が絡み合い、まだ青い果実が弾け散った。


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by kikuryouran | 2015-10-11 03:30 | 美しい少年 | Comments(0)

夫婦の時効


女の頭の中はどうなってるんだろうねぇ。
物憶えは悪いのに、昔俺が浮気した相手をちゃんと憶えていやがる。
突然、二十年も前の話を持ち出すんだから始末が悪い。
男の頭は言い訳には向いていないようね。
黙って聞いていると次々とボロを出して辻褄が合わなくなる。
女に時効はないってことを時々は思い出させてやらないとね。


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by kikuryouran | 2015-10-10 01:29 | 平成夢譚 | Comments(4)

素面


もう長くはないと聞いて見舞いに行った。
「病院では化粧ができないの。」と彼女はハンカチで口元を隠した。
素っぴんの彼女は年齢以上に老けて見えた。
「こんな顔を見たら、きっとする気も起きないわね。」
「試して見るか。」と笑いながら手を握った。
「きっとよ。」と握り返して、彼女は涙を溢れさせた。


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by kikuryouran | 2015-10-09 09:10 | 平成夢譚 | Comments(0)

妻の呼び方


最初の頃、彼女は私のことを『ボク』と呼んだ。
彼女と一緒に住むようになって『キミ』になった。
結婚して『アナタ』と呼ばれ、酔うと『オマエ』になる。
彼女は私より一回り年上で、美しくて才能がある。
私は尊敬の念を込めて、最初から『レイコさん』で通している。
愛し合う時だけは『レイコ』と呼び捨てにすることを許されている。


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by kikuryouran | 2015-10-09 02:41 | 平成夢譚 | Comments(0)

幸せな朝の気配


この世で添えぬのなら、いっそ死のうと二人は決めた。
覚悟を確かめ合い、何度も愛し合って眠ってしまった。
女が目を覚ますと、男はまだ眠っていた。
彼女はキッチンに立って、彼のために食事の支度を始めた。
男は心地良い音と匂いで目を覚ました。
幸せな朝の気配を聞きながら、死にたくないと彼は思った。


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by kikuryouran | 2015-10-08 02:00 | 心中情死 | Comments(0)

存在の軽い男


御主人様が亡くなられてお寂しいでしょうと、よく言われる。
そうなんですよと応えながら、少し違うと感じていた。
最近、寂しいのではなくて不便なのだとわかった。
高いところに手が届く、買い物に行くと荷物を持ってもらえる。
結局、彼はその程度の存在だった。
ベッドの中では、随分前からもう役には立たなくなっていた。


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by kikuryouran | 2015-10-07 01:36 | 平成夢譚 | Comments(0)

逞しい男


私たちは愛し合ったまま眠ってしまった。
目覚めると、裸のままの彼が隣りで眠っている。
彼が勃起していた。
私は男性のそれをゆっくり見たことがなかった。
そっと触ってみる。
ひ弱そうに見えていた彼が逞しく感じられて、そっと口付けをした。


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by kikuryouran | 2015-10-06 00:58 | 平成夢譚 | Comments(0)

死とエロスの交錯


彼は延命治療を望まず、最期の数日を私と二人だけで過ごした。
死がエロスと交錯して、そこでは淫らな欲望も当然の欲求だった。
私は彼の全ての要求を拒まなかった。
彼は私を愛しながら死にたいと言った。
薬で勃ったそれで、私と交わったまま彼は逝った。
泣きながら私は、いつまでも彼を包んではなさなかった。


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by kikuryouran | 2015-10-05 00:28 | 平成夢譚 | Comments(0)

巨根の客


若い客はまず指だけでいかせてから、本番をさせてやる。
元気なお客は、延長してもう一回することも多い。
齢をとった客は、一回いけば満足するけど、いろんな好みがあるからね。
その好みがわかれば、次は指名をもらえるね。
たまにだけど、お道具が並はずれて大きい客が来る。
これはもう、無理矢理でも指と口でいかせないと、その日は店仕舞いということになる。


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by kikuryouran | 2015-10-04 01:53 | 平成夢譚 | Comments(2)

少し遅参


「貴方の手で死なせて。」というのが彼女の口癖だった。
「一緒に逝こうな。」と私が言うと彼女は嬉しそうに頷いた。
腕の中で息絶えたのを確かめてから、私はゆっくり結合を解いた。
病み衰えていた彼女が、若い頃のように美しい死に顔に見えた。
私は彼女の姿を整えてから医者を呼んだ。
「俺は少し遅れる。」と私は彼女に言い訳をした。


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by kikuryouran | 2015-10-03 01:40 | 心中情死 | Comments(0)