愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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皺腹

「貴女様への淫ら懸想断ち難く、腹切りお詫び申し上げます。」
彼はそう言って礼をした。
「そなたの想い見せて貰いましょう。」
立ち会いは姫一人、一間余り離れて座している。

肩から脱ぎ落とした白衣の袖を膝に敷き込む。
鍛えられたとわかる肩と胸、見下ろして引き締まった腹を揉んだ。
家伝来の備前長船尺三寸、刃先を残して懐紙に巻き込む。

「参る。」
刃先を滑らせて脇から切り入る。
御前での覚悟の切腹、無念腹になってはならぬ。
浅ければ苦痛は少ない、甘美陶酔の痛みだという。
左脇から下腹八寸余り右脇までも切り割いた。

緊張と失われた血が、意識を朦朧とさせた。
俺は今、姫の前で切腹している。
それは彼が長い間夢見たことだった。

彼は欲情の兆しを感じた。
手を股間に這わせると、彼のそれはもう硬度を持って勃っている。
血に濡れた指がぬるぬるとそれを握った。
「果てるがよい。」
姫の声がした。
握っているのが自分の指か姫のそれかはもうわからなかった。
苦しみはなかった。
長い間幸せな夢を見ていたように思った。

姫が慈悲の刃で介錯をされ、彼の魂は一気に宇宙に弾け散った。
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by kikuryouran | 2012-09-11 03:50 | 男のharakiri | Comments(20)

虫鳴いて

私は座に着いて脱ぎ落とす。
胸から撫で下ろした指が腹を探り恥部に這う。
すでに草は濡れて昂ぶり満つる。
「見ていてね・・・。」
今生名残りに自ら慰めるのを、貴女は黙って見ています。
「美しいわ。」
貴女の目が萌えるのを見て、また昇る焔(ほむら)が身を焦がす。

九寸五分光を放ち、手に取れば頼もしき重さ。
見下ろして撫ぜ揉む下腹の、切り裂かれるを待つ潔さ。
腹割き逝く夢を見ながら、自ら慰める性(さが)の哀しさ。
「見届けてね。」
貴女への想いを込めて、私は一気に突き立てた。
割かれて噴き出す極彩色の血。
「あああぁぁぁ・・・。」
この苦痛こそがエロス極み。
恥ずかしくも、淫ら震える恍惚の瞬間(とき)。
「いつかあなたと共に・・共に・・。」
すべての筋肉が強張り痙攣していた。
やがて暗闇に落ちて行く。

虫鳴いて寝苦しき夜の白さかな
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by kikuryouran | 2012-09-08 04:48 | 女腹切り情景 | Comments(3)