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by kikuryouran
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自決の絆 4

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萌えて切る

死に装束に身を包んで、麗子は懐剣を前に置いた。軍服を着けた山室が見守っている。
「自分はあなたを愛しています。」
「私もきっと、もうあなたを愛しているわ。あなたのおかげで、女の喜びを知りました。」
それは彼への思い遣りの言葉だったのかもしれない。
「自分もこれで立派に死ねる気がします。少佐殿はこうなることをわかっておられたと思います。」
「そうかもしれませんね。」
顔を上げて女は笑った。

麗子は落ち着いた様子で胸元を寛げる。
「武人の妻らしく、お腹を切ります。」
彼女はキッパリと言った。美しい顔が険しくなり、ゆっくりと腹を揉んで前に押し出す。懐剣の鞘を払うと白刃が非情な輝きを放った。
「うむむぅ・・・。」
下腹脇に突き立てると、刃は五分ほども入って血が伝った。
「うぐぐっ、うぐうぅぅぅ。」
柔らかい下腹を中程まで切っていく。胸の筋肉が震え乳房が揺れた。血は傷口からすだれとなって白い腹を染めた。腰が悶えながらも崩れなかった。
「苦しいでしょう。」
「思っていたほどでは・・ないわ。」
途切れながらもしっかりとした口調だった。刃を抜き出して前に屈んだ。
「お願い・・。」
楽にして欲しいという意味だとわかる。山室が後ろから抱くと、彼女は刃先を自分で乳房の下に導いた。愛しさが彼の手を鈍らせる。しばらく彼は悶える身体を抱き締めていた。
「お願い・・。」
彼女はもう一度言った。すべてをゆだねて、力を抜いたのがわかった。
「最期はあなたの手で・・・。」
「麗子さん・・・。」
力を込めて突き立てると、腰が痙攣を続ける。彼はそのまま抱き続けた。

山室中尉は麗子の側で死のうとして止めた。この人はやはり少佐の妻として自害された。その側で死んでは彼女を汚すような気がした。
もう夜が明けようとしていた。少佐夫妻が自決されたと隊に連絡して、友人の中尉にすぐ来るように言った。
庭に降りて軍刀の刀身を手拭で巻く。少佐ほども立派に出来るかと不安がよぎった。
死を前にして、昂ぶりが白い褌を突き上げる。胸元から下腹まで何度も撫で下ろして猛り始めるものを宥めるように握ってやる。
「麗子さん。」
彼女が眠る方を見ようと顔を上げた。縁側に少佐と彼女が座っているように思った。
『山室、立派に切れば麗子をやる。』
少佐に挑まれているように思った。
『待っているわ。』
側で麗子が笑っている。
そうだ、自分は立派に死ぬと誓った。
勢いをつけて刃先を突き立てる。激痛が全身を走った。
俺はあの人の元へ行くのだと思った。股間がまた猛る。力を込めて切り裂いた。
友人が駆けつけた時は、まだ山室は息があった。彼は事情を知っている。
「山室、介錯をしてやる。」
「俺も立派に・・・。」
首を振りながら言う。
「よし、見届けてやる。」
震えながら喉を割いてゆっくりと倒れた。
朦朧とした意識の中で夢見るように麗子を呼んでいた。血まみれの男根が股間から屹立していた。ぬるぬると血にまみれて白い精を噴き上げた。それは男の望ましい最期と思えた。

  了
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by kikuryouran | 2008-05-29 05:51 | 女腹切り情景 | Comments(0)

自決の絆 3

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美しい死

「あなたは私も見届けて下さるの?」
当然のように麗子が言い、山室中尉は一瞬、意味がわからないというように彼女を見た。
「私はここで・・・。」
襖を開けると、隣の部屋にも白い布が敷き詰められていた。
自害する心算だという意味はすぐにわかる。
「西村が自決する覚悟だとはわかっていました。」
それでこの人は落ち着いていたのだと彼は思った。

麗子は考えるように、しばらく横たわる夫を見ていた。
「彼には、軍人として立派に死ぬことが生きる目的だった。彼が立派に死んだら、私も軍人の妻として死ぬ覚悟が生きる支えだったわ。そして彼はそれを全うした。」
「自分は立派な死に憧れて軍人になりました。」
中尉がゆっくりと話し始める。
「少佐殿もそれをご存知でした。そしてここに来るようにと・・。」
「あなたも死ぬ心算でここに・・・。」
「きっと少佐殿もわかっておられたと思います。」
「西村はあなたを頼むと言ったわ。それがどういうことかと考えていたの。」
「麗子さん、あなたを愛してはいけませんか。」
驚いたように麗子が顔を上げる。
「私は西村の妻よ。」
「少佐殿はすでに亡くなられました。」
中尉は目を逸らさなかった。
「自分はあなたを好きです。それはあの方も知っておられました。許していただけるなら、あなたを愛してから死にたいのです。」
二人は長い間見つめ合った。

麗子が黙って彼を残して部屋を出た。
「来て下さる?」
呼ぶ声がして、彼女は寝室で待っていた。
死ぬ前に抱いてくれますかと麗子は言った。
中尉を見ながら帯を解いて横たわる。大柄と見えた身体は引き締まって、乳房から美しい曲線が股間の繁みまで続いて艶めいていた。
「きっともう、あの人も許してくれるわ。」
彼は若者のしなやかさを残して引き締まり、充分に鍛えられた身体だった。
横たわった男から最後の一枚を取り去り、屹立するものを指で確かめながら唇を合わせた。
麗子は死ぬ前の昂揚が自分を淫らにしているのに気がついていた。
身体を開いて促すと、男が上から覆いかぶさる。
「あなたは生きたいと思わないの?」
「自分は軍人らしい最期を遂げたいと思っています。」
「私もきっと、美しく死にたいだけなの。」

先端を導くと、彼はグググッと一気に肉襞を押し開いて侵入してきた。それは夫とは違う若者の交わり方だった。すでに潤っていた愛窟がかろうじて受け止めた。
彼は身体を硬直させて、すぐに欲望を吐いた。しかしそれは萎えずにまだ女膣を満たしていた。女が優しく抱き締めてやる。
「あの人は知っていたんだわ、私達が死ぬことを。」
「自分はこれで想いを遺さずに死ねます。」
命のすべてを注ぎ込もうとするように、若者はまた動き始める。律動に身を任せながら、夫はこうなることを望んでいたのだろうかと麗子は思った。彼は自分の覚悟を知っていたはずだ。おそらくこの若者が自決することも。夫はきっと、この若者に想いを遂げさせてやれと言いたかったのだと思った。
若い肉体が女の本能を呼び覚まし、思考を中断させた。
花芯から快感が這い登る。気をやる予感を感じた。死を前にした昂ぶりが増殖していた。感情が一気に溢れて、狂ったように淫ら声を上げる自分がわかった。
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by kikuryouran | 2008-05-25 14:55 | 女腹切り情景 | Comments(0)

自決の絆 2

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軍人の妻

西村少佐は主戦派青年将校の中心的人物だった。彼は敗戦と決まれば自決すると決めていた。
妻の麗子とは十年前に華燭を上げた。外地勤務であった西村が内地に戻るまで、長く共に住むことはなかった。
米国と開戦するひと月前、各地に散った参謀が招集された。戦地にいた西村も内地に戻ってきた。久しぶりの再会だった。
「これから戦局は厳しくなるだろう。俺は御国に命を捧げる覚悟だ。」
彼は後顧の憂いをなくすために別れたいと言った。
「あなたが死ねば私もすぐに後を追う覚悟です。離別なさるなら、この場で自害します。」
妻は懐剣を前に置いた。
「あなたとは写真と手紙だけの夫婦だったわ。ひと月に一度の手紙を私は待ちました。最初の頃、私はあなたが戦死したらとそればかり恐れていたわ。しばらくして思ったの、あなたが死んだら私も死のうと。あなたの妻として死のう、そう思うと楽になった。それからの私はもう迷わなかったわ。」
麗子はそう言って夫の顔を見詰めた。
「あなたと共に死ぬ覚悟があなたとの絆なの。」
彼は黙って妻を抱き締めた。

山室中尉は西村が目をかけた部下だった。彼には、若者らしい一途さがあった。
妻を世話しようとしたことがある。
「自分は立派に死ぬために軍人になりました。妻は要りません。」
彼は麗子のような人ならと言った。
「あの方のような女なら貰ってもいいと思います。」
「あいつはやれん。」
西村は苦笑するしかなかった。

自決すると麗子に告げたが妻は動じなかった。
「私には構わず、あなたは為すべきことをなさればいいわ。」
その時彼は、お前はどうするとは訊かなかった。
「俺はお前が妻で幸せだった。」
「私もですわ。」
しばらく顔を見詰めてから彼女は言った。

自決は割腹と決めて山室中尉に立ち合わせることにした。しくじるとは思わなかったが、立派に腹を切ることが難しいのはわかっている。万一の時は彼なら介錯もしてくれるだろう。
自分が死んだ後麗子はどうするだろうと考えて、彼は止めた。軍人として俺は死ななければならない。これは戦死だ。彼女がどうするかは、もう彼女自身が考えることだ。それは妻への絶対的な信頼だった。

割腹の座に着いて、彼はもう自分の腹を切ることだけを考えた。麗子とは前夜の内に別れを済ませてある。それは濃密で、これまでなかったほどの情交だった。腹を探りながら股間が疼いて、中尉に立ち合わせたことを少し悔やんだ。二人だけなら、きっと最期にまた抱いただろうと思って苦笑しながら彼女を見る。彼女もわかったように微笑んで見えた。
愛する妻の前で軍人として腹を切る。これほどに幸せな最期はないと思えた。立派にし遂げなければと、彼は麗子を見て覚悟を確かめた。
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by kikuryouran | 2008-05-24 04:55 | 女腹切り情景 | Comments(0)

自決の絆 1

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 軍人覚悟

昭和二十年八月、米英との戦況悪化は覆うべくもなく、御前会議でポツダム宣言受諾が決まった。無条件降伏と決まって参謀本部西村少佐は自決すると決めた。
「今夜腹を切る。立ち会ってくれるか。」
「承知しました。」
山室中尉は、しばらく顔を見てから言った。

夕刻前、約束通りに山室中尉は西村少佐の家にやってきた。西村の妻が迎えた。
「やはり貴方にお願いしたのね。」
「ご存知なのですか。」
「不束者でも、軍人の妻ですもの。」
彼女は普段と変わらぬ様子で迎えた。
「今、お風呂ですの。」
「では、背中を流させていただきます。」
彼は、慣れた様子で脱衣場に向かった。
「山室です、入ります。」
少佐は鏡に向かって髭をあたっていた。
「死に顔に不精髭も拙いだろう。」
「やはりおやりなりますか。」
「大臣も腹を切られる。俺も随分勝手な事を言ったからな。」
彼は青年将校たちのリーダーとして主戦派の急先鋒だった。
「俺は万死に値する。」
少佐は厳しい口調で言いながら腹を探った。
「麗子さんは気丈な方ですね。普段と変わらないようです。」
「あれはいい女だ。」
しばらく考えてから、彼は言った。
「笑われるだろうが、俺はあいつのことが気懸かりだよ。」

麗子は二十六、西村少佐の妻である。十六で嫁いで、夫とは一回りほども開いている。外地勤務が長かった夫とは長く離れて暮らし、一年ほど前から初めて夫婦二人で居を構えた。大柄ではっきりとものを言う女だった。
彼女は夫に自決の覚悟を伝えられて、予期していたかのように動じなかった。
自決のための部屋を片付け、寝室には仮眠のための布団を敷いた。心をこめて夫が最後に口にするものを用意していた。夫の死ぬ支度に彼女は忙しかった。

心地良い風が流れて、もう虫の声が聞こえている。
「覚悟はあった心算でも、いざとなれば慌しいものだな。」
風呂を上がった西村は、庭を眺めていた。
「自分も腹を切ろうと思っています。」
後ろに座っている中尉が言った。
「俺は切らねばならんから切る。貴様は死んではならん。」
西村は庭を見たまま話した。
「お前たちの分も、俺が腹を切って詫びる心算だ。」
「奥様はどうなさいます。」
「あれは、軍人の妻としての覚悟はある女だ。」
「聞こえていましたよ。」
麗子が笑いながら酒を運んでくる。
「この人も自決なさるの?」
「俺は止めているんだが・・・。」
冷えた酒で喉を潤しながら、困った顔で少佐が言った。
「こいつはお前を好きらしい。」
「まあ、嬉しいこと。山室さんならいくらでもお話があるでしょうに。」
「こいつはまだ女の味を知らんのだ、教えてやってくれ。」
「ご遺言ならお聞きしてもいいことよ。」
女の笑い声は心を和ませた。
「お前はどうする。」
「私の事は構わずに、あなたは思うようになさればいいわ。私はまた良い人を見つけます。」
彼女は平然と言った。
「今度は切腹なんてしない人を見つけるわ。」
「そうか、良い人か。」
西村は苦笑しながら顔を見る。
「山室さんがよければ、私はいいわよ。でもこの人は私よりも死ぬ方がいいのね。」
中尉が恥ずかしそうに顔を赤らめた。


夜が更けようとする頃、西村少佐は軍服で切腹の座に着いていた。部屋の調度は片付けられ、白い布が敷き詰められている。
「山室、貴様は死んではならん、麗子を頼む。これは命令だ。」
命令と言われて、中尉も頷くしかなかった。
「自分は・・・、自分はお供したいであります。」
彼はもう涙声になっていた。
「麗子、こいつを頼む。」
「承知しました、お心遺しなくなさいませ。」
彼女はしっかりとした口ぶりで応えた。

「俺は軍人として腹を切る。苦しむだろうが介錯はいらん。怖ろしければ下がっていろ。」
「拝見させていただきますわ。」
「お前が見届けてくれるなら、立派にせねばいかんな。」
「はい、ご立派になさいませ。」
麗子は笑みさえも浮かべたように見えた。
「逝くぞ。」
「お逝きなさいませ。」
二人は名残惜しげにしばらく見つめ合った。やがて少佐が振り切るように目を逸らした。

素肌に着た軍服の前を開いて裾を払う。ベルトを緩め、ズボンの釦を外して折り返すと、引き締まった腹と白い褌が露わになった。胸板は厚く薄い胸毛がある。長い軍刀の刀身を、刃先三寸を余るほど残して手ぬぐいで巻き込んだ。
彼はもう前を見なかった。覚悟を確かめるように目を瞑って腹を揉む。鍛えられたとわかる筋肉に力がこもった。ゆっくりと腰を上げて刃を構えた。
見守る二人の目は、これから裂かれる腹に釘付けになっていた。刃先が鋭く光る。息を呑む瞬間が流れた。
「うむっ」
彼は腰を捻って一気に突き立てた。刃先はゆっくりと腹に吸い込まれたように見えた。血がしぶいて刃を伝う。苦痛に顔が歪んで喘ぎが漏れた。
「うむうううう・・・・。」
麗子は膝に置いた手を握り締めていた。中尉は自分も腹を切るように拳を腹に押し当てていた。
「うぐぐぐぅぅ・・・。」
西村少佐は軍人としてまさに最後の戦場にいた。それは妻に見守られた苦痛多く凄惨壮絶な戦いだった。両手で握った刃を運ぶと、傷口が開いて血が噴いた。すべての筋肉が痙攣し震えていた。彼は大きく下腹を割いた。
絶え間なく響く呻き声と血の臭いに、麗子は逃げたい誘惑と戦った。正視できずに、夫の膝元に広がる血を見ていた。

彼は虚ろな目で、最後の力を振り絞って喉を裂いた。前の血溜まりに倒れ伏して、どんと頭を床に打ちつけ、しばらく足がもがいて背が悶えた。
「まだ息があるわ。」
「楽にしてさしあげましょうか。」
「もう、気は失せて苦しくはないでしょう。」
二人は少佐が動かなくなるまでそのまま見守った。それは辛く長い時間だった。
 
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by kikuryouran | 2008-05-13 15:48 | 女腹切り情景 | Comments(0)