愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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獄中にて

表向きの容疑は軽いものだったが、隔離された独房に入れられ、スパイとして捕まったと直感した。取調べもなく数日経って、彼が部屋に入ってきた。
「わかっているだろうが、お前が表に出ればこちらも困る。お前にはこのまま消えてもらう。」
お互いに説明はいらなかった。
「どんな風に殺されるのか、教えてもらえるのかしら。」
「すでにもう、お前は事故で死んだ事になっている。」
「段取りのいいことね。いつから私に目をつけていたの?」
「もう半年になる。」
「私が近付いた時には、あなたにはわかっていたということね。」
「ああ、魂まで奪われそうになったがね。」
「私もあなたを愛してしまいそうな気がしたわ。」
この男と裸で抱き合う自分を思い出した。
「できれば自分の手で始末をつけてくれないか。そうでないと俺がやらないといけなくなる。」
「時間はあるの?」
「ああ、たっぷりととってある。」
彼は内ポケットからナイフを取り出して前に置いた。そのナイフは自決用の心算で私がいつも持っていたものだ。
「これがよくわかったわね。」
「君が以前、これを手入れしていたのを思い出した。」
「あなたはそこで見ているの?」
「嫌ならしばらく外に居よう。」
二人は見詰め合って少し笑った。私の顔は引きつっていたかもしれない。彼は黙って部屋から出た。扉に付いた監視窓が締められた。彼がドアの外に居るのはわかっていた。

喉がカラカラだった。備え付けの小さな洗面で水を飲んだ。一気に二杯飲んでやっと落ち着いた気がした。スパイになった時から覚悟はあった。ついにその時が来たと思った。渡されたナイフの鞘を外してタオルで巻いた。
獄衣の上下を脱ぎ、部屋の隅に畳んで、小さな下着一枚だけの姿で座した。見下ろすと自慢の乳房が震えている。胸を撫で指を下着の中に這わした。この身体が何人もの男を篭絡し命を奪った。今この肌が罰を受ける。通り過ぎた男達を思い出して慰めた。
どこを切るか少し迷ったが、苦しくてもやはり切腹しようと思った。ナイフを柔らかい腹に押し当てて力を込める。冷たい感触とチクリとした痛みがあった。腰に力を入れて突き立てた。歯を喰いしばって呻きをこらえる。膚を切り破った刃先が食い入り、血が滴って膝に流れ落ちた。

彼が時間はたっぷりあると言ったのを思い出した。
「そこに居るんでしょ。入ってくれば。」
扉が開いて彼が入って来る。
「裸で腹を切ったのか。」
「あんなものを着たままで死にたくはないわ。裸の方がよほどいい。」
畳んだ獄衣を見ながら私が言うと、彼は苦笑した。
「まだいいの?」
「ああ、俺が呼ぶまでは誰も来ない。」
「死ぬまではまだかかりそう。」
「苦しいだろう。」
「男に抱かれているような気分よ。」
抜き出した血まみれのナイフを握って、前に屈んで答えてやる。臍の下をいっぱいに切って、傷口は開き脂肉が覗いていた。痺れるような痛みが腹全体に広がっていたが、苦しいほどのことはなかった。流れ出す血が少しづつ力を奪っていった。
「お腹の中までは切れなかったみたい。もう少し痩せていればよかったわね。」
私は苦笑して言った。
「もう楽にしてやろう。」
彼は拳銃を取り出した。
「もう少しこのままで・・・。いい気持ちだわ。私はあなたを本当に好きだった。」
「ああ、俺もお前を好きだった。俺はお前を苦しめたくはなかった。」
「それで・・。自決させてくれたのね。責め殺されると思ってた。」
「責めても、どうせお前は何も喋らんだろうよ。」
「優しいのね、やっぱり。」
彼を見上げると、股間の膨らみが目に入った。
「大きくなっているみたい。したいの?」
彼は恥ずかしそうに笑ったように見えた。
「もう・・・いいわ、お願い・・・。」
意識が朦朧とし始めていた。後頭部に硬い物を押し付けられた。銃口が彼の男根に感じられて犯されるような気分になった。
「いつでもいいわ。今いい気分なの。」
それでも、彼のためらいがしばらくの時間を作った。私は手に持ったナイフをゆっくりと股間に導き当てた。薄い布を破り、刃先が女陰を裂いて進入しようとしていた。
「うむうううう。」
呻き声を上げた瞬間、頭の中を熱い弾丸が通り抜けた。
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by kikuryouran | 2006-09-18 15:57 | 女腹切り情景 | Comments(0)

男ならばふんどし一つ、女は白の腰巻だけの姿が多かった。磔柱の中ほどに台がある。その台に跨って腰と胸元をを柱に縛り付けられる。両手両脚を広げて縛られると、もう身動きも出来なかった。女は開かれた脚の間から秘所さえもが覗かれる。辱めを与えるために下着も許されぬ裸磔もあった。

「おいたわしきことながら、磔仕置きなされることになり申した。お覚悟なさいますように。」
「人質としてこの地に参った時から覚悟は致しております。存分になさるがよろしかろう。」
「お覚悟、確かに承った。先程知らせが参って、そなた様の夫殿は御武運拙くお討ち死になされたとのこと、御一族ことごとく見事な御最期であったそうでございます。」
「それは重畳、御館様に反旗を挙げたは私心にあらず。武門の身として意地に殉じる覚悟であったと聞いております。皆本懐でございましたろう。」
女はそれだけ言うと目を瞑った。

牢から引き出されて単衣姿で後ろ手に縛られる。城下外れの刑場河原まで輿に乗せられた。世に聞こえたほどの美形、歳はもう三十路に近い。その女が磔柱にかけられると聞いて、遠くから駆けつけた者もあった。刑場は既に矢来が組まれ、人々が取り囲み警護の武士が固めていた。
単衣を脱がされ、腰布だけの姿で磔柱に括りつけられる。女は既に覚悟もついたか潔く、抗うことなくされるままになっていた。白き肌胸露わに、許された腰布も脚開かれて秘所の繁みも覗かせた。寝かされていた磔柱を押し立てられる。女は目をつぶって恥ずかしさに耐えながらも、毅然とした表情を崩さなかった。整った顔立ちと美しい肢体が哀れを誘う。風が無情にも下布をなぶって、艶やかな内腿をも露わにした。

足元で足軽雑兵の動く気配がして目を開ける。長槍を持つ男が二人足元から見上げていた。既に支度は調ったのか、周囲は静まり返りすべての目が自分に注がれていた。一人の武士が立ち上がって近付いてくる。男の具足の触れ合う音だけが聞こえた。見覚えのある気がした。人質に来た頃何度か顔を見た気がする。
「先程ご実家よりお付きのお女中二人、自害して果てました。さすがに武門のお家柄、見事な腹切りでござった。」
たしかこの男を、侍女の桔梗は好いていると聞いたのを思い出した。
「桔梗は腹を切りましたか。」
「拙者が手で介錯致しました。只今よりあなた様にはお命頂戴仕る。」
私は黙って頷いた。
そうか、この男も桔梗を好いていたのかもしれぬと思った。桔梗は最後に想いを遂げたのであろうか。想いを遂げて死んだと思いたかった。腹切る桔梗の姿を思った。見上げると雲がゆっくりと流れてゆく。のどかな光景に見えた。
槍の穂先が目の前で交差された。見下ろすと両脇から槍先が自分の腹に狙いを定めているのが見えた。見苦しく死んではならぬ、いかに苦しくとも叫ぶまいと心に誓った。大きく息を吸う。歯をくいしばった。
腹を貫かれて激痛が走る。もう一突き、もう一突き。突き立てられる度に意識が混濁してゆき力が抜けてゆく。やがて苦痛が消えていった。
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by kikuryouran | 2006-09-08 12:34 | 処刑 | Comments(0)

絞首刑


「おい、時間だ。」
私は牢から引き出されると、後ろ手に手首を縛られた。暗い廊下を歩かされる。
死ぬのは怖くなかった。もう薄汚い男達に触れられないと思うと、それだけでせいせいした気分だった。周囲を群集に取り囲まれて、広場の中に真新しい処刑台が作られていた。両脇を抱えられるように歩かされた。
「お前を生まれたままの姿で絞首刑に処する。」
正装をした男が形ばかりに言い渡す。鋏を持った男が近付いて、私の獄衣を切り裂いた。下着までも取り去られ、私は手首を縛る紐を除いて生まれたままの姿になった。豊かな乳房、引き締まった腰と尻。恥部の繁みは見るだけで欲情を誘う身体だった。
処刑と言っても見せしめの私刑といえた。
「言い遺す事はないか?」
「できたらこの手を自由にしてもらえないかしら。最期に自分を慰めて見せてあげる。」
私は挑むような目で睨みかえした。
「吊るされた私の裸を見ながら、自分のものをしごくといいわ。」
悪びれた様子もなく私は胸を張ってやった。
腕をとられて階段の前に立たされた。見上げると輪にされたロープが揺れている。
「一人で歩けるか?」
腕を取ろうとする刑吏の手を振りほどいた。
「大丈夫よ、手を離して頂戴。」
私はゆっくりと階段を昇った。台の上には男が待っていた
「自業自得だな。」
「後悔なんてしてないわ。さあやって頂戴。」
見渡すと男達の視線を全身に感じた。嘲笑うように足を広げてやると、男達の目が股間に集中したのがわかった。汚らしい男たち、私はその時すべての男に犯されていると感じた。死を前にした高揚と騒ぎ始めた淫猥な血。首を絞められながら絶頂を迎えるエクスタシーを思い出した。子宮が熱くなっていく。内腿に雫が垂れるのがわかる。尻の上で括られている両手がもどかしかった。

首にロープがかけられる。足台に乗るとゆっくりロープが引き上げられ、女が伸び上がるほどに張られて固定された。女は周囲を見渡して、微笑んだように見えた。
足元の台が蹴られると、ロープがいっぱいに張って首だけで女はぶら下がった。眼球が飛び出すほどに目が開かれ、形よく突き出した鼻から血が噴いた。伸びた脚がばたついて、失禁の尿が足元に飛沫を立てて流れ落ちた。縄の捩れで震える身体が回転し、全身のすべてを晒した。身体の痙攣が止まるまで随分時間がかかった気がした。ダラリとぶら下がって、女の身体は伸びきって動かなくなった。風が時々女を揺らした。
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by kikuryouran | 2006-09-07 20:32 | 処刑 | Comments(0)

銃殺

まるで要人警護を受けるように颯爽として、つば広の帽子に黒いロングコートの女が前後を兵士に挟まれて歩いて行く。廊下の突き当たりの扉を開けると庭に出た。
待ち構えていた若い仕官が女に敬礼をした。
「あなたはこれから銃殺に処されます。言い遺すことがあればお聞きしておきましょう。」
「煙草をいただける?」
仕官がたばこの箱を差し出した。女は箱ごと受け取って一本抜き出し口に咥えた。仕官がライターの火を差し出すと、当然のごとくに顔を近づけて女は火を点けた。煙草の箱を返そうとする女に仕官が言った。
「お持ち下さい。」
「ありがとう。」
「あなたがスパイだったなんて・・・。」
「君の手で死ねるとは思わなかったわ。せめて顔だけはきれいに逝かせてね。」
「承知しました。」
「さあ、始めましょう。」
煙草をコートのポケットにしまいながら、まっすぐに目を見て女が言った。
落ち着いた足取りでレンガ造りの壁の前に立つ。射撃手が前に並んでいた。目隠しをしようとするのを断って、女は平然と煙を吸って吐き出した。
「構えて。」
仕官の声が庭に響いた。銃口が一斉に女に向けられる。一瞬の間があった。女が吐いた煙を目で追いながら空を見上げようとした時、轟音が響いて、女が後ろの壁に叩きつけられた。衝撃で被っていた帽子が飛んで長い髪が広がった。

弾は心臓に集中して、大きく開いた胸の穴から血を流して女は後ろに倒れた。顔は普段と変わらず美しい微笑を浮かべていた。
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by kikuryouran | 2006-09-03 14:10 | 処刑 | Comments(0)