愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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不義の証拠をつきつけられて、女は観念した。
「いかにも不義を犯しました。言い訳とてもはいたしませぬ。どのようにもお仕置きなさいませ。」
夫から目を逸らさず、女は潔くも凛とした声で言い放った。しばらく二人は無言のままで睨み合う。
「すでに人の口に立った上は庇いもならぬ。これ以上の恥を晒すな。舅殿にはすでにご承知、腹切らせて下されと申された。死んで詫びよ。」
男の声は怒りと悔しさに震えていた。
「切腹せよと申されますのか。女に腹を切らせてお気が済むならお望みのままに。」

すべては自分の愚かさゆえ。かの男の顔が浮かんですぐに消えた。夫に見守られながら帯を解く。見えはよくも命を賭けるほどの男でなかったのは承知の上。ただ淋しかったと言ってこの男は納得するのだろうか。ひと時は仲睦まじい夫婦であった。夫としては悪い男ではなかった。ただ、あまりに女の気持ちに疎かった。いま少し夫と情を交わせたなら、不義不倫に身を焦がす事もなかったろう。女とても、身も心も夫に捧げて幸せを願っていた。『許して』と思いながらも口は裏腹、愚かは承知で詫びの言葉を言えなかった。妻の心を知るはずもなく、夫は身じろぎせずに見詰めている。

強情な女よ。泣いて詫びれば致しようもあるに。本当に腹を切ろうというのか。平然と腹切る支度をする妻を見ながら、男は妻との閨を思い出していた。押し開いた前肌、小ぶりながらも手に馴染んだ柔肌は男を誘っているようにも思え、妻への愛しさを思い出して、男は止めたい衝動と闘っていた。先夜の交わりで乱れた声は偽りであったのか。かの男にもこの肌をなぶられて、よがり声を上げていたかと思うと、また憎しみがこみ上げた。苦しみ悶えて死ぬがよい。愛しさが怒りに変わり、その怒りがまた残忍な思いに変わっていった。

下腹を大きく押し開いて、女は腰を持ち上げ九寸五分の刃を脇に当てた。悔いはなかった。もう生きていたくない、死にたいと思ったから不義密通を犯したのかもしれない。かの男との激しい情交だけが生きている証しのように思えてのめり込んだ。私はきっと抱き締めて欲しかっただけなのに。この男に見届けられて、腹を切れるなら本望だと思いながら手に力を込めた。痺れるような痛みが腹全体に広がる。腰を揺らしながらゆっくりと切り割いてゆく。死ぬるとは、これほどのたわいない痛みであったのかと、切り割きながら笑みが漏れた。

女が刃を突き立てる。一瞬男を睨んだようにみえたが、もう腹を切る手を弛めなかった。
腰を揺らせてゆっくりと運ぶ手の後から血が噴いて滴り始める。眉根寄せ、噛み締めた唇から漏れるのは呻きとも喘ぎとも。力を込めて震える肩先に合わせて乳房が揺れた。
「あううう・・・むむむむ・・・。」
浮かした腰が痙攣して、悶え苦しむ女体が妖艶に悶えくねった。苦痛堪えて歪む細面、雪の肌いよいよ白く、掻き切る細腰臍の下辺り。
「うむううう・・・。」
またひと掻き力を込めて、ひときわ苦しげな声が漏れた。

「たか・・・。」
男が絞り出すような声で妻の名を呼んだ。女が顔を上げて夫の方を見る。
「だんな・・さま・・・。」
見交わす目に想いがこもっていた。
「もうしわけ・・も・・なく・・・。」
女が苦しい息の下で切なげにも詫びの言葉を口にした。それだけでもう充分に心が通うた。すでに右脇までも切り割いて、女の腹は血にまみれていた。
「もうよい。楽にしてやろうぞ。」
脇差抜いてにじり寄り、抱き寄せて胸の谷間に刃を当てる。女の見上げた顔には安堵の色が浮かんで、胸にすがりつき身体を預けた。抱く手に女の震えが伝わりまた愛しさがこみ上げる。男は唇を寄せながら胸に刃を突き通した。死ぬる間際の痙攣に、男は思わず内腿に熱い精を吐いていた。

涙を流しながら、男は冷たくなっていく妻を長い間抱き締めていた。女の死に顔を見ながら、男は妻の哀しみを知らされた気がした。もはや憎しみは消えて、男の心には女への愛惜の気持ちばかりが満たされ、外聞だけをはばかって、妻をみすみす死なせた自分の愚かさが許せなかった。やがて夜が明けようとする頃、男は女の胸から抜き出した刃を己の腹に突き立てた。ゆっくりと引き回しながら女の名を呼んだ。
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by kikuryouran | 2006-01-09 00:51 | 女腹切り情景 | Comments(0)

義姉弟切腹心中

「私が見届けましょうゆえ、さあ、男らしく切腹を。」
「義姉上、最後のお情け有難うございました。」
会釈をして京之助は前を寛げた。十六ばかり、まだ若衆髷の身で潔くも開いた内肌は逞しくも白く柔らかい。幼さを残すほどの弾力が、まだ私の肌に残っている。
呻きながら、浅くも下腹臍の下辺りを一文字に切り割けば、白い下帯がみるみる血に染まっていった。名残惜しげに私を見ながら、胸にあてた切腹刀に身を預けて前に屈むと、幾度も痙攣して若者は見事に切腹を遂げた。
厠に立つと、内腿に精が伝って最後の交わりを思い出させた。死に化粧を確かめて部屋に戻る。座を占めてしばらく若者の死に姿を眺めていた。
「過ちからのそなたの不始末、逃れさせるは容易いが。若年なれど武士、死んで詫びねば義理が立たぬ。無情な義姉と恨むがよい。そなた一人を死なせては、私とて黄泉の旦那様に言い訳も立たぬ。最後に情を交わしたのも、私とても腹切る覚悟の上。」
前を押し開いて探ると肌が火照り始める。夫と死別して身を持て余した夜の床、いつか覚えた一人慰めを思い出す。懐剣は九寸五分、手に重く冷たい光を放っている。男根のごとく、叢(くさむら)に突き立てたい衝動に捕らえられて笑みがこぼれた。
今が死に時、女が家に殉じ果てたと人は言おうが、媚びるには誇りが許さず淫情持て余しての切腹自害と知るは我が身のみ。
刃先に身体を預けて、ゆっくりと腹に突き立てる。思わず漏れる呻き声。下腹の中程までも男根に貫かれて、よがる自分の声を思い出した。痺れる痛みが腰を覆い血が逆巻いた。淫ら水と溢れ出す血が股間を濡らすのを感じながら、ゆっくりと腹を切る。中程まで切って刃に身体を預けて屈む。ズブズブと刃は女壺を切り裂いて腰までも届いていた。激痛の後に歓喜がきた。そのままゆっくりと意識が遠ざかっていった。
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by kikuryouran | 2006-01-05 22:38 | 心中情死 | Comments(0)