愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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カテゴリ:平成夢譚( 111 )

仲人口 


いい男っていうわけじゃないけどね。
あれぐらいなら浮気の心配もしなくて済むさ。
いい歳をしてまだ女も知らないんじゃないかね。
あんな男は股倉さえ掴んじまえばどうとでもなるよ。
金はないけど気は良いよ。
駄目かねぇ、いい出物だと思うけどね


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by kikuryouran | 2015-10-18 02:21 | 平成夢譚 | Comments(0)

殺人の教唆


「彼はあなたに頼まれたと言っています。」
「私は愚痴を言っただけなんです。」
「お金を渡したんでしょ。」
「あの子が可愛いかったから、お小遣いをやっただけですよ。」
「御主人が亡くなってどう思っていますか。」
「保険金も入りましたし、死んでくれてせいせいしてますけどね。」


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by kikuryouran | 2015-10-17 02:07 | 平成夢譚 | Comments(0)

旦那様の道具


奴隷市場で奥方様が召使を探していた。
前に進み出た若者が、自分を買って欲しいとお願いした。
裸にさせると、鍛えられた身体に見事な男根が草叢から垂れている。
「私は旦那様よりも素晴らしい喜びを教えてさしあげます。」と彼は自信あり気に言った。
「無礼者め、旦那様のお道具はそれほど粗末なものではないわ。」
彼女はその若者を買ってから、その場で首を刎ねさせた。


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by kikuryouran | 2015-10-16 01:09 | 平成夢譚 | Comments(0)

やりなおす覚悟


「やり直してみないか?」と昔の男。
この男の身体には、私がつけた傷痕が幾つもある。
「もう浮気はしないと誓うよ。」
彼は私のお尻を触りながら言った。
「今度は本当に、あんたを殺ってしまうかもしれないよ。」
私は彼の玉をズボンの上から思いっきり握つてやった。


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by kikuryouran | 2015-10-14 03:00 | 平成夢譚 | Comments(0)

性の介護


その日の客は脳性麻痺の男性だった。
指でいかせようとすると、彼は挿入したいと訴えた。
不自由な身体の彼を、私は導いて自分の中に受け入れた。
彼は嬉しそうに、「生きていて良かった。」と感謝してくれた。
それは私にとっても感動的な経験だった。
それ以来、私は誇りをもって障害者の性介護ができるようになった。


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by kikuryouran | 2015-10-13 06:26 | 平成夢譚 | Comments(0)

暗い日曜日


「この歌を聞くと死にたくなるそうよ。」と私はスイッチを入れた。
気怠いシャンソンらしい曲が流れた。
「なんだか気味が悪いね。」と彼。
「この歌を次の演奏会で歌って欲しいの。」と私は彼にメモリーを渡した。
翌日、自殺した彼が発見された。
その現場では、私が貸した曲がリピートされていた。


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by kikuryouran | 2015-10-12 02:23 | 平成夢譚 | Comments(0)

夫婦の時効


女の頭の中はどうなってるんだろうねぇ。
物憶えは悪いのに、昔俺が浮気した相手をちゃんと憶えていやがる。
突然、二十年も前の話を持ち出すんだから始末が悪い。
男の頭は言い訳には向いていないようね。
黙って聞いていると次々とボロを出して辻褄が合わなくなる。
女に時効はないってことを時々は思い出させてやらないとね。


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by kikuryouran | 2015-10-10 01:29 | 平成夢譚 | Comments(4)

素面


もう長くはないと聞いて見舞いに行った。
「病院では化粧ができないの。」と彼女はハンカチで口元を隠した。
素っぴんの彼女は年齢以上に老けて見えた。
「こんな顔を見たら、きっとする気も起きないわね。」
「試して見るか。」と笑いながら手を握った。
「きっとよ。」と握り返して、彼女は涙を溢れさせた。


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by kikuryouran | 2015-10-09 09:10 | 平成夢譚 | Comments(0)

妻の呼び方


最初の頃、彼女は私のことを『ボク』と呼んだ。
彼女と一緒に住むようになって『キミ』になった。
結婚して『アナタ』と呼ばれ、酔うと『オマエ』になる。
彼女は私より一回り年上で、美しくて才能がある。
私は尊敬の念を込めて、最初から『レイコさん』で通している。
愛し合う時だけは『レイコ』と呼び捨てにすることを許されている。


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by kikuryouran | 2015-10-09 02:41 | 平成夢譚 | Comments(0)

存在の軽い男


御主人様が亡くなられてお寂しいでしょうと、よく言われる。
そうなんですよと応えながら、少し違うと感じていた。
最近、寂しいのではなくて不便なのだとわかった。
高いところに手が届く、買い物に行くと荷物を持ってもらえる。
結局、彼はその程度の存在だった。
ベッドの中では、随分前からもう役には立たなくなっていた。


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by kikuryouran | 2015-10-07 01:36 | 平成夢譚 | Comments(0)