愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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カテゴリ:平成夢譚( 111 )

愛のレッスン


若者は抵抗する私を押さえつけて荒々しく犯した。
それは私には初めての経験だった。
私は彼に女の愛し方を教えてやった。
彼に礼儀を覚えさせ、牙を抜き爪を切らせた。
彼は従順な下僕(しもべ)になったが面白くない男になってしまった。
私はまた刺激的な男を求めて街に出るようになった。


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by kikuryouran | 2015-10-31 01:50 | 平成夢譚 | Comments(0)

女の名前


目が覚めると、大柄な女が横に寝ている。
二人は何も身に着けていなかった。
煙草を吸いながら、昨夜ホテルのバーでこの女を誘ったことを思い出す。
女が目を覚まして、私の吸っている煙草を取った。
「名前、聞いていたっけ。」と私が言った。
「私と結婚でもしてくれるの?」と彼女は笑いながら煙を吐いた。


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by kikuryouran | 2015-10-30 06:29 | 平成夢譚 | Comments(0)

思い出の喫茶店


「別れたいと言い出したのはあなたの方からよ。」
女が立ち上がって出ていくのを、男は黙って見送った。
ちょうど一年前のこの喫茶店だった。
あの時も小気味よいジャズのリズムが店に流れていた。
彼はコーヒーをもう一杯頼んだ。
薄暗い店の隅に、懐かしい女が自分を見ているのに気が付いた。


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by kikuryouran | 2015-10-29 01:03 | 平成夢譚 | Comments(4)

地球滅亡の日


社会の仕組みのすべてが機能を停止していた。
「こんな時に遭遇するなんて、俺はなんて不運なんだ。」
「私はあなたと一緒に死ねる幸運に感謝するわ。」
『しがらみ』から解き放たれ、死を共にする者だけが寄り添っていた。
人々は愛を交わし合いながらその時を待った。
彼らを一瞬で消すために、暗黒の大王が空を覆った。


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by kikuryouran | 2015-10-28 00:29 | 平成夢譚 | Comments(12)

勝負下着


大鏡の前に私は裸で立った。
もう若くはないが、まだ見苦しい身体ではなかった。
大きくないが崩れていない乳房、締まった腰、自慢の長い脚。
先日買った勝負下着を着けた。
なかなか良い女じゃない。
これで誘わなかったら、あいつは男じゃないね。


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by kikuryouran | 2015-10-26 06:30 | 平成夢譚 | Comments(0)

別れた理由


夫は簡単な愛撫だけで入ってきて、満足すると眠ってしまった。
私は燃え残りを自分の指で処理しなければならなかった。
結婚前の彼は、命を燃やし尽くすように愛してくれたのに。
こんなのは愛じゃないと思うと無性に腹が立ってきた。
彼の寝顔を見ながら、別れたい気持ちが初めて心をよぎった。
結婚してまだ数か月しか経っていない頃だった。


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by kikuryouran | 2015-10-24 01:49 | 平成夢譚 | Comments(0)

好色な女


夫は義務のように私を抱き、私はドラマのような声を出した。
結婚して十年余り、「セックスのどこが面白いのか。」と思っていた。
或る日浮気をして、私はその喜びを知る。
夫と別れて何人もの男を渡り歩き、落ちるところまで落ちて今最期を迎えようとしている。
振り返って悔いはなかった。
楽しい人生だったと思っている。


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by kikuryouran | 2015-10-22 02:58 | 平成夢譚 | Comments(0)

女の独り言


恋もしたし、男を知らないわけでもない。
セックスが気持ちいいとも思わないけど、子供は産んでみたかった。
もうよほどでないと結婚は考えられない。
それでも時々、男としたくなる時もある。
自分の指で鎮める術も身につけた。
蜘蛛の巣だらけで毎月面倒なだけの場所だけど、女ももう上がりそうな齢になった。


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by kikuryouran | 2015-10-21 04:51 | 平成夢譚 | Comments(0)

恋心


いい加減でチャラチャラしててあんな奴、大嫌い。
だけどあいつのことを考えるとなぜか苦しくなる。
本当は会いたくて会いたくて。
好きで好きで恋しくて。
愛していると自分でもわかっている。
会いたい会いたい会いたい。


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by kikuryouran | 2015-10-20 12:01 | 平成夢譚 | Comments(0)

女の顔


突然の事故で妻が亡くなり、遺品を整理して不倫していたことがわかった。
「相手は誰だったんだ。」私は遺骨に話しかけた。
結婚して十年、夫婦の営みは淡白なものだった。
そんな彼女が、他の男とどんなセックスをしていたのか。
淫ら乱れる彼女を想像しようとしてもできなかった。
遺影はにこやかに笑っていた。


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by kikuryouran | 2015-10-19 00:13 | 平成夢譚 | Comments(0)