愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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2015年 08月 28日 ( 2 )

心中未遂


「苦しませないでね。」と言いながら、睡眠薬で彼女は眠りに落ちた。
美しい寝顔は心中をためらわせた。
気が付くと俺は病院のベッドに寝ていた。
彼女が覗き込んで、「一人で死のうとしたのね。」と言った。
「君を殺せなかった。」と俺は目を逸らせた。
「私、やっぱり死にたくない。」と彼女は俺の手を握った。

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by kikuryouran | 2015-08-28 11:56 | 心中情死 | Comments(0)

馴染んだ身体


十年ぶりの再会でも、身体は互いのツボを憶えていた。
彼は迷わず私を探り当て、私は次の動きをわかっていた。
頂きまでの懐かしい景色を、二人は共に登り詰めた。
空白の時間は一気に埋められて、もう馴染んだ身体になっていた。
「また会えるかしら」と見上げながら私は言った。
彼は言葉を遮るように唇を重ねてきた。

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by kikuryouran | 2015-08-28 01:41 | 平成夢譚 | Comments(0)