愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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2015年 08月 21日 ( 2 )

元の女房

病室に入ると十年ぶりの懐かしい顔があった。
俺は元気そうじゃないかと笑いながら言った。
あなたの側で死にたかったわと彼女が俺の手を握った。
もう長くないと俺に知らせてきたのは彼女の亭主だった。
「いい旦那じゃないか。」
そうでしょと頷きながら、彼女は俺の手を握り続けた。

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by kikuryouran | 2015-08-21 11:46 | 平成夢譚 | Comments(0)

切腹座の女

切腹の座に着いたのはまだ若く美しい女だった。
髪は御殿髷、水浅葱の裃袴は女ながらも武士の死に装束。
袖を抜いて腰まで脱ぎ落せば、雪の柔肌ながら鍛えられた身体とわかる。
「ウムッ、ウムムム・・・、ウグゥゥゥ・・・。」
悶えながらも横一文字、作法通り前に屈んで震える首を差し延ばす。
細首に討ち下ろす介錯の太刀一閃、血を噴き上げて身体は前に崩れ折れた。

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by kikuryouran | 2015-08-21 02:46 | 女腹切り情景 | Comments(0)