愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

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by kikuryouran
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女切腹人

「吉村れつ、重き罪科に問うべきところ、日頃の忠勤お汲み取り下さり切腹申し付けられる。」
「女の身に切腹賜り、有難くお受け仕ります。」
「れつ殿、古来より腹切りし女はあれども、侍並みに切腹申し付けられた例はないと聞く。扇子にても構わぬと殿は申されておる。」
「有難きお言葉なれども、お情けにて賜りし切腹なれば真剣にて果たす所存。ご検視様にはお見届け下さいますようお願い申し上げます。」
「お覚悟確かに承った。」

奥方の側で仕えていた女が人を殺め、縁者の家に預けられて沙汰を待つ身であった。切腹の沙汰は昨夜届いていた。
「れつ殿、望み通りに切腹を許されましたぞ。支度も侍並みにとのこと、明日御検視役も遣わされるとお沙汰がありました。」
「打ち首の覚悟も致しておりましたが、有難いことでございます。」
「お望みがあれば申されよ。」
「有難きお言葉なれど、この期において望みとてもございませぬ。」
すでに支度は済んでいた。腹を切る自分を思いながらに床についた。

まどろみながら夢を見た。淫夢であった。裸で切腹座に着いて男達に視姦された。乱れながら切る腹からは、赤くもどす黒いはらわたが溢れた。夢だとわかっていた。愚か猥らと自分を笑う自分が居た。夢うつつの狭間で何度も目が覚め、眠ろうとしてまたまどろんだ。握り締める刃はいつか男根になっていた。のしかかって女陰に導く。
指が股間に伸びる。恥毛の感触を感じながら、躊躇うように周囲を彷徨い中心にもぐりこむ。ねっとりと温かい感触を確かめながら昇り詰めた。朝まで何度も寝返りをうちながらまどろみ目覚め、夜が明けかける頃やっと短い眠りに落ちた。

目が覚めると、すでに死ぬる日の朝が訪れていた。
「お目覚めでございますか。」
部屋の外から声がかかる。見張りを兼ねた世話係の女だった。夜通しの番をしているのは気がついていた。淫らな声を聞かれたかも知れぬと思った。

切腹衣装は、裃袴を許された侍並みのものだった。
「よう似合う。立派な武士の晴れ姿でございますぞ。」
上意申し渡しを終えた使者が励ますように言った。
「奥方様から内々お言葉を預かっておる。助命ならなかったは許せとのことであった。」
「女の身に士分お扱いの切腹は誉れと存じて、晴れの場に喜んで臨みます。」
晴れ晴れとした口ぶりでれつは胸を張った。
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by kikuryouran | 2008-07-27 11:15 | 女腹切り情景 | Comments(0)