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ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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愛と死の妄想

あなたを殺す妄想にとらわれるのです
血の中に横たわったあなたを見て、私はやっと安堵に包まれる
私はきっとあなたを愛しているのです、殺したいほどに

飼っていた小鳥を殺しました
私の手の中で気持ち良さそうに目を瞑った
彼はもう、逃げようと羽ばたきはしなかった

私はあなたと暮らしたいなんて思っていない
あなたの愛もきっと望んではいない
あなたを私だけのものにしたいだけなの

雪が降ったのよ
冷たくて暗くて明るいの
その中で眠ればあなたの夢を見られるでしょうか

お魚を三枚におろす時に想像してしまう
鶏をさばく時も
内臓を出しながら、私は自分のお腹を切っているのです

私はあなたのために死ねる
本気でそう思っています
すべてをあなたに捧げる幸せを感じながら私は死にたい

私を殺しに戻ってちょうだい
横たわって私はあなたにすべてを捧げるわ
あなたのその手で私の子宮を抉り出して欲しいの

安楽な死は望みません
あなたへの愛を確かめながら、苦しみもがいて死なせて欲しい
あなたのいないこの苦しさに比べれば、それはきっと甘美な思いです

お願いです、私と死んで下さい
あなたのペニスを切り取って、私もお腹を切って死ぬわ
恋物語の結末には相応しいと思いませんか

美しく死にたいと思ったことがありました
それは静かで安らかな死ではありませんでした
身を焦がす炎の中で、私はあなたと抱き合っていました

あなたが苦しまないように、私は一突きで楽にしてあげる
胸の中程から少し左下
私と一緒に死んでくれませんか

友人のお葬式の間中、あなたと一緒に死にたいと考えていました
お花と共に棺に入って
重なって焼かれる自分を思っていました
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by kikuryouran | 2008-03-29 17:38 | 平成夢譚 | Comments(0)