愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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男ならばふんどし一つ、女は白の腰巻だけの姿が多かった。磔柱の中ほどに台がある。その台に跨って腰と胸元をを柱に縛り付けられる。両手両脚を広げて縛られると、もう身動きも出来なかった。女は開かれた脚の間から秘所さえもが覗かれる。辱めを与えるために下着も許されぬ裸磔もあった。

「おいたわしきことながら、磔仕置きなされることになり申した。お覚悟なさいますように。」
「人質としてこの地に参った時から覚悟は致しております。存分になさるがよろしかろう。」
「お覚悟、確かに承った。先程知らせが参って、そなた様の夫殿は御武運拙くお討ち死になされたとのこと、御一族ことごとく見事な御最期であったそうでございます。」
「それは重畳、御館様に反旗を挙げたは私心にあらず。武門の身として意地に殉じる覚悟であったと聞いております。皆本懐でございましたろう。」
女はそれだけ言うと目を瞑った。

牢から引き出されて単衣姿で後ろ手に縛られる。城下外れの刑場河原まで輿に乗せられた。世に聞こえたほどの美形、歳はもう三十路に近い。その女が磔柱にかけられると聞いて、遠くから駆けつけた者もあった。刑場は既に矢来が組まれ、人々が取り囲み警護の武士が固めていた。
単衣を脱がされ、腰布だけの姿で磔柱に括りつけられる。女は既に覚悟もついたか潔く、抗うことなくされるままになっていた。白き肌胸露わに、許された腰布も脚開かれて秘所の繁みも覗かせた。寝かされていた磔柱を押し立てられる。女は目をつぶって恥ずかしさに耐えながらも、毅然とした表情を崩さなかった。整った顔立ちと美しい肢体が哀れを誘う。風が無情にも下布をなぶって、艶やかな内腿をも露わにした。

足元で足軽雑兵の動く気配がして目を開ける。長槍を持つ男が二人足元から見上げていた。既に支度は調ったのか、周囲は静まり返りすべての目が自分に注がれていた。一人の武士が立ち上がって近付いてくる。男の具足の触れ合う音だけが聞こえた。見覚えのある気がした。人質に来た頃何度か顔を見た気がする。
「先程ご実家よりお付きのお女中二人、自害して果てました。さすがに武門のお家柄、見事な腹切りでござった。」
たしかこの男を、侍女の桔梗は好いていると聞いたのを思い出した。
「桔梗は腹を切りましたか。」
「拙者が手で介錯致しました。只今よりあなた様にはお命頂戴仕る。」
私は黙って頷いた。
そうか、この男も桔梗を好いていたのかもしれぬと思った。桔梗は最後に想いを遂げたのであろうか。想いを遂げて死んだと思いたかった。腹切る桔梗の姿を思った。見上げると雲がゆっくりと流れてゆく。のどかな光景に見えた。
槍の穂先が目の前で交差された。見下ろすと両脇から槍先が自分の腹に狙いを定めているのが見えた。見苦しく死んではならぬ、いかに苦しくとも叫ぶまいと心に誓った。大きく息を吸う。歯をくいしばった。
腹を貫かれて激痛が走る。もう一突き、もう一突き。突き立てられる度に意識が混濁してゆき力が抜けてゆく。やがて苦痛が消えていった。
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by kikuryouran | 2006-09-08 12:34 | 処刑 | Comments(0)