愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

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by kikuryouran
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老醜ながら

お情けもって腹召せとのご状、有り難くお受け仕ります。

お目に晒すは恥ずかしき身なれども諸肌脱ぎ。
死に後れ、かくも醜く老いさらばえて候。
拝領の九寸五分押し頂いて、右手(めて)に握り。
切り割く辺りを左手(ゆんで)で揉み、息を調え尻浮かせて前屈み。
己が腹を一文字に切り割きます。
お許しあるなら、花を愛で慰めて逝きとうございます。
最期は、胸刺し貫いて果てる覚悟なれども。
お手をお貸し下さるも苦しからず。

前の世の縁(えにし)や、波漂うてめぐり逢い
互いの心覗き合い、浅ましくも色に狂う
今生は夜毎の夢の通い路に、秋の葉の散り舞うて老いの坂
拙くも手の運び、介添えられて次の世は
永久(とわ)の契りを楽しみに、必ずお待ち申します。


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Commented by kirikiri2010 at 2017-11-14 23:04
kiku様、相も変わらぬお姿にて、感無量で御座います。
いかにも、美しい花の姿。愛で慰めるなら、この私で良ければ手を貸しつかまつります。いえ、私のすべてをかけて、介錯つかまつります。
コメントが、遅くなりましたこと、伏してお詫び申し上げます。
kiku様の後を追い、この腹を・・・一文字に・・・。お慕いしております。が、昔のようにはこの太刀が・・・。しかしながら、次の世は必ず、必ず・・・。
by kikuryouran | 2017-11-11 20:56 | 女腹切り情景 | Comments(1)