愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

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by kikuryouran
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少し遅参


「貴方の手で死なせて。」というのが彼女の口癖だった。
「一緒に逝こうな。」と私が言うと彼女は嬉しそうに頷いた。
腕の中で息絶えたのを確かめてから、私はゆっくり結合を解いた。
病み衰えていた彼女が、若い頃のように美しい死に顔に見えた。
私は彼女の姿を整えてから医者を呼んだ。
「俺は少し遅れる。」と私は彼女に言い訳をした。


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by kikuryouran | 2015-10-03 01:40 | 心中情死 | Comments(0)