愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

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by kikuryouran
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別れた男


別れて二十年余り、病室に入ると彼はベッドで眠っていた。
しばらく見ないうちに随分老けたわねと、顔を眺めていたら目を覚ました。
『他に頼める奴がいなくてな。』、弱々しい声だった。
余命数か月の宣告を受け、彼は後の始末を私に託したいと言った。
少しだが遺産もあると言われたが、私は断って部屋を出た。
若い頃の修羅場を思い出されて、なぜか涙が止まらなかった。


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by kikuryouran | 2015-09-21 02:39 | 平成夢譚 | Comments(0)