愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

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by kikuryouran
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元の女房

病室に入ると十年ぶりの懐かしい顔があった。
俺は元気そうじゃないかと笑いながら言った。
あなたの側で死にたかったわと彼女が俺の手を握った。
もう長くないと俺に知らせてきたのは彼女の亭主だった。
「いい旦那じゃないか。」
そうでしょと頷きながら、彼女は俺の手を握り続けた。

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by kikuryouran | 2015-08-21 11:46 | 平成夢譚 | Comments(0)