愛と死の妄想  feseppuku.exblog.jp

ショートな妄想フィクションを書いています


by kikuryouran
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SF公開切腹


軍事法廷

「当軍事法廷は、艦隊二級士官・岩下由紀に対し、公開切腹を命ずる。被告は国民の信頼を裏切り敵に通牒した。スパイは軍人として卑劣極まりない行為であり、被告は民衆全ての前で謝罪し、命を以ってその罪を償わなければならない。」
被告席の女は頷いて深々と礼をした。

21XX年、日本は一時人口の減少から大量の移民を受け入れ、凶悪犯罪の増加をみた。乱れた倫理を正すために刑法の改定が進められて、残酷峻烈な処刑が行われるようになっていた。特に軍務に就く者には厳しく、日本古来の切腹刑を復活させ、男女を問わず適用された。

「いよいよ明日、お前は処刑場に引き出される。10万人も入るスタジアムは満員になるそうだ。お前の切腹は、すべてのメディアに公開されて国民全てに配信される。介錯は許されていない。切り口は25センチ以上、深さは4センチを超えて切る事。それに満たない場合は切腹とは認められない。これは検視官3名が判定する。万一卑怯な振る舞いや切腹果たせぬ場合は、お前の家族を引き出して処刑する事になる。」
所長は椅子に座って、明日の説明を書いた紙を読みながら私の顔を窺う。私は手錠をかけられ起立して聞いていた。後ろに監視官が二人付き添っている。
「お前は入場時、軍服の着用を許されている。お前は自分の罪を衆目の前で認め謝罪する機会を与えられる。全ての証票を切り取られ、軍服を切り裂かれ脱がされる。それから手錠を外されて切腹の座に着いてもらう。上半身は傷口を確認するために下着も許されない。腰から下は許されているが、絶命後は剥ぎ取られ裸で晒される。女には酷なところもあるが、これは男女同じ扱いで、切腹の傷を明らかにするためである。」
わかったかというように、所長は顔を上げて私の顔を見た。
「これまで非公開で切腹した者は何人かいるが、公開の場で切腹した女はいない。立派にし遂げるんだな。今夜が最後の夜だが望みはあるか。できることなら聞いてやる。」
意味ありげに笑いながら、彼は私を見ていた。

昔は短刀を使用したが、今では切腹はレーザーソードで行われる。直径3cm、長さ30cmぐらいの円筒形が一般的なものだ。鋼製の刃物は無くなって、刀剣武器に替わったのがレーザーソードだ。最少長さ1cmから最長2Mくらいまでも手元のスイッチで刃の長さを調整できる。重さは約500g、刃は方向性が無く鋭利で先は鋭い。押し付けただけで特殊に硬い物以外はズブズブと切り、刺せる。刃長を示すために青い可視光線に包まれているが、刃の厚みは0に近い。軽くて、短刀にも長剣にも使用できる。
切腹の方法は、ソードの刃先長さを切り込み深さに調整して腹に刺し込む。刃厚はないので針を突き刺したような痛みしかない。そのまま横に引けば肉が割かれて傷口が開く。
センサーを使えば内臓を傷つけずに引き出したり、薬物と併用して苦痛を調整する事もできるようになった。切腹自決する時は、各々の状況によりいろいろなパターンが実行に移されていた。しかし、処刑に代わる切腹となると、苦痛を軽減するような処置は認められなかった。


スキャンダル

艦隊二級士官・岩下由紀24歳、軍務に就いて5年になる。彼女は艦隊指令上層部の妻ある男と恋に落ちた。何度か三人の話し合いが持たれて、彼の妻は離婚に応じた。その夜、男の妻が由紀をスパイだと告発し切腹自殺を遂げた。マスコミはスキャンダルとして騒ぎ立て、由紀は軍の取り調べを受けなければならなかった。
「マスコミは容赦なく書きたてている。女が命を捨てて証拠を持ち込んだ。潔白を証明できなければ、お前はスパイとして処刑される事になる。」
何枚もの写真を見せられた。彼女は見事にも凄惨に腹を割いて、腸を引きずり出していた。血だまりにうずくまる背が哀れにも美しいと思った。彼女の死に顔には悔しさが滲み、切り口から溢れた腸は私への憎悪を感じさせた。私は女の悲しみと自分の犯した罪の重さを悟らされた。
巧妙に捏造された証拠を見せられて、私は全てをさとり、覚悟しなければならなかった。彼女は命懸けで完璧な罠をかけ、奪われた夫への愛に殉じたのだ。私は毎夜のように彼女の哄笑する夢を見た。『自分はこんなにも彼を愛している、あなたには決して彼を渡さないわ。』お腹を割きながら、彼女は私への恨みを叫び続けていた。
私は、どちらの愛が強いのかと挑まれていた。あなたが彼への愛に殉じるなら、私だって彼への愛はあなたに負けない。あなたの恨みの罠を受けて、私は罰を受ける。いいわ、私も切腹してあげる、あなたの望む通りに。
私は黙秘を通し、証拠を否定しなかった。
「切腹させて下さい。」
それだけを言うともう一言も喋らなかった。

私の房に男が訪れた。私は、最後の夜をこの男と過ごしたいと所長に頼んだのだった。
「朝までだ。」
それだけ言うと看守は外から鍵をかけた。
「会いたかったわ。来てくれたのね。」
しばらく見詰め合って、二人は狂った獣が喰らい合うように抱き合った。監視のカメラも気にせず求め合い交わった。きっとモニターには看守が釘付けになっていたろう。
声を殺しながら飽くことなく昇り詰め、横たわる互いのすべてを唇で確かめた。とろとろとしたまどろみと虚脱の中で裸で抱き合い、私は男の胸に顔を埋めていた。
「よく来てくれたわね。最期に会えてよかったわ。」
私は彼の顔を飽かず眺めた。私はきっとこの男を手に入れるために切腹する。
「私は罪を犯したわ。あの人をあんなに苦しめた自分を許せない。あなたを愛したのが罪なら、どんな罰でも喜んで受ける。スパイとして刑を受けても、私はあなたへの愛を確かめるために切腹するの。」
男は私を見て、そして黙って抱きしめてくれた


処刑場

翌朝、私は処刑場に送られた。
この処刑場は最近出来たばかりのものだ。凶悪犯罪の歯止めのために、公開処刑は随分前から見せしめとして行われていたが、映像メディア技術の粋を集めて、処刑を人々の猟奇性を満足させるイベントとして行うためにつくられた。
人の性は善、それ以外は異常だと思われている時代があった。しかし、DNAの解析と心理学の研究から、各々の性衝動に含まれる暴力嗜好も個性の一部と認識されるようになっていた。加虐、被虐、各種のフェチと呼ばれた嗜好も今では異常とはみなされていなかった。公にされると、彼等は猟奇な欲望を満足させるために、処刑にいろいろな要求を出すようになった。人々をより満足させる殺戮の演出が考えられ、人々の要求もエスカレートしていった。すでに何人もがここで処刑されていたが、女の切腹は初めてだった。
磔、吊るし首、ギロチンetc、ここで行われる処刑は、それぞれが過去の時代に行われたものとは同じ名前でも質は異にしていた。ここで処刑される者は、死をもって罪を償うだけではすまなかった。命も肉体も残虐猟奇な欲望の生け贄になるという事だった。死体になって陵辱を加えられる事さえもあった。

久しぶりに獄衣から白い軍服に着替えさせられる。スタジアムに連れ出されると、促されて中央に立たされた。武人として切腹する。その時はまだ、誇りを持って死ぬ覚悟が由紀の凛々しさを保たせていた。日本人の血が騒いでいるのかも知れない。幾つもの大型パネルに自分の姿が映されていた。周囲を取り囲むように作られた観客席は人に埋め尽くされている。彼らはすでに狂気の目をしていた。
「国家を裏切った女が、これから全ての国民に謝罪し切腹いたします。」
どこからかアナウンスの声が響き、群集のどよめきの中で、犯した罪と年齢経歴が読み上げられた。
私は周囲を見渡しながら、この群集は何を求めてここに来ているのかと考えていた。すべての目が私に注がれている。謝罪の言葉を求められたが、私は無言で毅然と胸を張った。立ったまま、私は襟、胸元、肩についた士官の証票を剥ぎ取られる。軍服を脱がされ、胸を隠していた下着も剥ぎ取られた。腰ベルトをとられ、ロングパンツも裂かれて脱がされる。屈辱の時間だった。一枚剥ぎ取られる度にどよめきが起こる。最後のショーツだけを残すと、抗議の罵声が止まらなかった。観衆がすべての下着を脱がせる事を求めていた。声に押されるように執行吏の手が最後の一枚に手をかける。一瞬二人は顔を見合わせ、彼はにやりと笑って引きちぎった。
丸裸で立つ私を、周囲から写した姿が何箇所もの大パネルに映される。容赦なく恥部がアップで映し出される。白い肌に黒々とした恥毛が目を引いた。しばらく嘲笑とため息が止まなかった。私は起立して身体の隅々までも隠さず見せるように言われた。


立体映像

私の身体がゆっくりと浮き上がり始め、5mほどの高さで止まった。床も周囲も透明バリヤーで包まれ、全ての角度から写されて瞬時に3Dに組み立てられる。私の動作をそのまま写して、幾つもの巨大な立体映像が投影されて浮かび上がった。観客はあらゆる角度から見ることが出来る。国中のあちこちで、巨大な立体像がリアルタイムに実況されているはずだ。私は不思議な陶酔に包まれていた。今までこれほどの人に見られながら切腹した者はいない。今この瞬間、自分は世界の中心にいた。痛いほどに視線を感じる。すべての男に、女にさえも犯されている気がした。気が昂ぶり、自慰をしたいと思った。身体の中心が熱くなる。

美しい女だった。長い髪に細い顔立ち、鍛えられた身体は女の柔らかさとしなやかさを失わず引き締まっている。白く艶熟して柔らかな乳房、細くも引き締まった腰と豊満な臀部、美しく伸びた脚。恥じ入る様子もなく、死を前にして潔くも凛として立つ姿は神の造形を感じさせる。数十倍に拡大され空中に浮かぶ立体裸像は、秘部さえもが忠実に映し出されている。濃い恥毛、巨大なヴァギナとアヌスが、色までも鮮明に再現されて人々の目に晒されている。すでに覚悟を決めたのか、落ち着いた様子で渡されていたソードの刃を出した。

見下ろすと真下からも撮影しているカメラがあったが、もう恥ずかしさは失せていた。私はソードの刃長を4cmに合わせた。巨大な立体映像も私の仕草を忠実に再現している。
下腹を撫ぜ揉むと全身に汗が噴き始めた。緊張で全身の筋肉が震える。股間の筋肉に力を込めると痙攣しているのがわかる。見上げる観衆には秘部までもが見えるに違いない。見渡すとすべての観衆たちが息を呑んで私を見詰めている。すべてを見られている快感が私を大胆にしていた。
私は足を大きく広げて立ったままソードの刃を左下腹に当てると、一瞬どよめきが消えて静寂が訪れた。私は大きく息を吸い、自分の腹を見下ろしてゆっくりと刃を刺していった。
チクリとした痛みが走って、力を入れなくても刃はゆっくりと沈んでいく。全身に汗が噴き出すのがわかる。3cmほど入って一気に痛みが腹全体に広がる。腹壁を貫いたと思った。思わず呻き声が漏れた。
「うむうううう・・・。」
拡大された私の呻き声がスタジアムに響き渡る。痛みを堪えて柄が膚に触れるまで突き立てる。脚が震えてよろめき、身体を支えられずに片膝をついた。

美しい顔が淫らしくも歪む。秘所の花びら潤い透明な液体が尾を引いて滴った。腸を傷つけたのだろう、絞られた菊花が内から赤く染まっていく。すべての筋肉が痙攣し震えていた。


十字腹

片膝ついて下腹脇に突き立てたソードを握り、女はしばらく動かなかった。両手でゆっくりと横に引いた。激痛が腹全体を締め付ける。唇を噛み締めながら叫ぶのをこらえた。焼けるような痛みに腰が震えた。乳房が小刻みに揺れている。臍の下辺りまで割いた頃には端から傷口が開き始めて血が流れ出す。女にはもう周囲の群衆は目に入らなかった。前に屈みながら、お腹を切り割く事だけを考えていた。ゆっくりと横に引く。鋭い痛みが腰全体を痺れさせた。神経が切断されたのか内股に失禁の尿が滴り始める。由紀の頭の中はもう真っ白になっていた。

豊かな肉付きの尻の谷間にアヌスが固く閉じられ息づいている。黒い繁みに花びらの震えさえもがはっきりと見えた。尿口から失禁の水玉が噴き出す。くさむらが血と尿を滴らせた。群衆がどよめいた。大きく黄色い水玉が足元に音を立てて迸しった。

脇まで届いたソードの刃を抜き出す。見下ろすと、引き割いた自分の腹からすでに腸が垂れ始めているのがわかる。激痛が間断なく襲うが不思議な気分だった。はらわたを引きずりだしたいと思った。ソードの刃を抜き出し、臍の上辺りに突き刺し下に切り下げた。ズズズズーッ、力を加えなくても切り裂かれて腹は十字に開く。ソードは止まらず恥骨を切り女陰までも裂いて、血にまみれた臓物が一気に溢れ出す。ウォーッという驚きの声がスタジアムを覆う。その声を聞きながら由紀はゆっくりと後ろに倒れていった。足元に垂れた腸が空中でぬめぬめと動いていた。

ゆっくりとバリヤーが地上に下ろされた。観客は女の周囲に下りる事を許される。女は両脚を大きく広げ、裂かれて血まみれの股間に溢れ出た極彩色のはらわた臓物を晒していた。白い乳房は美しく盛り上がり、半ば開かれた口は淫らな想像を思い起こさせ、目は開いたまま空の雲を見上げているように見えた。
その後、何日も晒された女を見に来る人々が絶えなかった。メディアは何度も立体映像を流し続けた。

送られてくる映像を見ながら、男は女の仕草を忠実になぞっていた。
「由紀・・・。」
最期の瞬間に男は宙に精を放った。



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by kikuryouran | 2006-04-12 02:57 | 処刑 | Comments(0)